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テイスティングレポート

【テイスティング・シリーズVol.92】春の赤ワイン 
トゥーロ・ジュイヨのメルキュレイ ヴィエイユ・ヴィーニュ

2021年4月05日

テイスティングレポート

皆さまこんにちは。SNS、HP担当の田中です。 
今年は桜が早いですね。東京はそろそろ散り頃です。  
   
今日はこの季節にお勧めの赤ワインを紹介します。  
メルキュレイ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2017 トゥーロ・ジュイヨ 参考上代価格¥4,500-
Mercurey Rouge “Vieilles Vignes” 2017 Theulot Juillot  
  

 
香りはラズベリーのジャムやブラックチェリー、クロスグリ、カラメル。  
カカオ、クローブ、そして土っぽさ。  
かすかに桜の葉のような香り。  
甘く香ばしいフルーツやスパイスのアロマに、土や木の葉などアーシーなニュアンスもあり、  
非常に複雑で豊かです。  
  
口に含むと、まず柔らかくなめらかな口当たりが印象的です。  
しなやかに伸びる酸とまろやかな甘さが完璧なバランスを取っています。  
ミネラルも豊富できめ細やかに溶け込んだタンニンも心地よく、  
豊潤な味わいながら適度に引き締まっています。  
ミディアムボディで、調和がとれたワインです。 
 
 
アルコール感も程よく、  
抜栓直後は温度が低かったので、ちょっと硬いかな…と思いましたが、  
しばらくして開いてきたら、花が咲いたように一気に華やかになりました。   
何といっても、すべてが渾然一体となって溶け合ったバランスの良さが魅力的で、  
マッチョでなく華やかなところは「春らしい赤ワイン」とも言えるかも。  
いかにもブルピノらしい可憐な美しさを感じるワインです。  
 

 
トゥーロ・ジュイヨは3年前から取扱いを始めた生産者で、 
このメルキュレイ・ヴィエイユ・ヴィーニュは3つの異なる区画のぶどうからなっています。 
一番標高が高い316m南向きの広い台地はこのワインに密度と新鮮さをもたらしています。 
2つ目の区画は標高250mの南向きの小さな谷の奥で、 
3つ目の区画は村の中心部で風から守られており、成熟した温かみのある味わいをもたらします。 
  
彼らは純粋なぶどうの個性を表現したいと考え、 
除草剤を使用せず土壌をよく耕して空気を入れ、草は生えるままにしてあります。 
栽培に関してはあまり人為的な介入をしないというのがコンセプトです。  
   
しかし収量や選果は厳しく管理しています。 
区画の標高が300メートル以上になるとぶどう樹に大きな負荷をかけることができず、 
収穫量は平均して1haあたり40hl程度です。 
 
厳しい選果を経て、醸造は伝統的なブルゴーニュのスタイルを採用しています。 
メルキュレイ・ヴィエイユ・ヴィーニュについては、異なる区画のぶどうを合わせて発酵、 
その期間は12~15日と長めです。 
その間ピジャージュ(発酵中のお酒の上に浮いているぶどうの果皮を中に押し込む。味わいを深くし、色や香り、タンニンの抽出を行う)をします。 
発酵完了後の熟成期間は12ヶ月間です。 
ブドウの純度とピノ・ノワールのアロマの新鮮さを保つために、新樽比率は最大で20%です。 
瓶詰め前に軽くフィルターをかけています。  
 
 

トゥーロ・ジュイヨ


    
さて、このテイスティングシリーズでは私なりにテーマがありまして 
「家庭料理とワイン」ということでやっております。 
今回は鶏の照り焼きを合わせてみました。  
お砂糖やみりんを減らし調理酒をカルバドスにグレードアップしたレシピです。  
この「鶏の照り焼きカルバドスバージョン」がよく合いました。 
 
    
カルバドスはご存知、‟りんごのブランデー”ですが、 
この香りがワインとよく調和したように思います。  
さらに、蒸して少し塩しただけのきのこや菜の花ともよく合いましたので、
このワインは食事に合わせやすい守備範囲の広いタイプと言えそうです。 
  
 

 
皆さまもぜひ試して楽しんでみてください。  
 
 
 
 
では、今日はこの辺で。  
今週もお元気でお過ごしください。  
 
来週もお楽しみに!