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テイスティングレポート

【テイスティング・シリーズVol.190】春の佳き日に華やかで繊細なロゼワインを!

2023年3月13日

テイスティングレポート

皆さまこんにちは。HP担当の田中です。
今日はルーシヨン地方のメゾン・アルベラから、ロゼワインをご紹介いたします。
 

Rose Des Cimes Maison Albera 2020
ロゼ・デ・シンム メゾン・アルベラ 参考上代¥3,025-(税込)
 

 

MaisonAlberaRosedesCimesbtl 

 

ルーシヨン地方は、
ワインを勉強された方はたいてい「ラングドック・ルーシヨン」といい、
ラングドック地方とセットで覚えることが多いですが、
ラングドックと比して標高の高い場所が多く、
また17世紀半ばまではスペインカタルーニャ州の一部だったエリアもあり、
今もカタルーニャ語を話す人がいらしたりして、スペイン文化の影響がみられる地域です。
 

メゾン・アルベラのオーナーであるリウ家も、スペインはカタルーニャの家系で、
19世紀にこちらに移住してワインを手掛けてきたとのこと。
今はファブリス&アレクサンドルの兄弟がメゾンを率いています。
 

彼らは温暖化への懸念と、
自身の「より良いテロワールでフレッシュなワインを作りたい」という思いから、
標高の高い、500m以上の場所にある畑を手に入れてワイン造りを始めました。
ここは高原の気候で日照時間が長く、夏の1日の気温差は20度にもなり、そして雨が適度に降るという、
ぶどうにストレスのかからない理想的な環境で栽培が行われています。
標高が高いことは、
アロマを発達させながら果実の糖度をゆっくり上げることができるメリットもあるそうです。
  

標高が高い畑のワインということで、彼らのプロデュースするワインのラベルには
それぞれ標高が明記されています。
 



 

では「Rosé des Cimes (ロゼ・デ・シンム)」をテイスティングしましょう。
”Cimes” とは ”峰々”とか”山の頂き”という意味で、
直訳すると「山頂のロゼ」でしょうか。
フランスで作られた中では、おそらく最も標高の高い畑から作られたロゼだということで、
このようなネーミングにしています。
ボトルの下部にクリスタルカットの模様が入っていてお洒落ですね。
 


 

使用品種はグルナッシュ・グリ75%とシラー25%。
アルコール度数は12.5%でやや軽め。
直接圧搾方式でステンレスタンクにて別々に醸造したのち
最後に味や色合いを見てアサンブラージュ(ブレンド)するという作り方をしています。

グラスに注ぐと、
色はオレンジがかった透き通ったサーモンピンク。美しい!
 


 

香りは野イチゴやカシスの甘い香りで、素直な親しみやすさを感じます。
味わいは、アタックは軽め。
摘みたていちごやラズベリーのような甘味、程よくて穏やかな酸、後に残る苦みも滑らかで、
非常にバランスの良い、万人受けするスタイルです。
そして、ミネラル。
日頃、シャンパーニュやシャブリなどの石灰由来のミネラルに親しんでいた方は、
このワインではまったく違うミネラルのキャラクターにお気づきになることでしょう。

ワイン全体に感じられる自然な円やかさ、口当たりの柔らかさ、
ほんのり感じる塩味(えんみ)に、ミネラルの個性を感じ取ることができます。
繊細な味わいの妙味を楽しむことができる、とても良いワインです。

 

このワインは大勢が集まるカジュアルなパーティーで開けるワインとしても華やかさがありますし、
お家でゆっくり楽しむ時も、繊細で優しい味わいが寄り添ってくれますし、
なかなか貴重なワインではないかと、思った次第です。
 

これからの
春の佳き日に、お祝い事も増えることでしょう。
数年ぶりに懐かしい顔に会える…ということもあるのではないでしょうか?
そんなときにいかがでしょう?
ぜひお試しくださいませ。
 

では、また来週をお楽しみに!