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テイスティングレポート

【テイスティング・シリーズVol.169】コンドリューのマサルセレクション。
ジャナスのヴィオニエ IGPプランシポテ・ドランジュ

2022年10月03日

テイスティングレポート

皆さまこんにちは。HP更新を担当しています田中です。
ローヌの人気生産者、ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス。
先日新ヴィンテージが入荷しましたが、今日は、入荷後1年寝かせておいたヴィオニエがとても美味しかったのでご紹介します。
 
まず作り方を。
ぶどうは銘醸地コンドリューからマサル・セレクション(数ある中で優れた株を選択して接木してぶどう樹に育てる方法)のものを植樹。
農薬や殺虫剤、除草剤を使用せずに育てられ、肥料も自然のものを使っています。
収穫は手摘み収穫&畑で選果。腐敗果を素早く取り除いています。
空気圧式圧搾機で圧搾してタンク醸造。
熟成に関しては、60%はタンク、40%は樽。沈殿物も合わせて6ヶ月間攪拌しながら熟成させています。
 
テイスティングです。
1年寝かせたヴィオニエ。
香りがより重め、濃密になりました。
ふわっとしたカスタードの甘い香りとともに、
レモンピール、パパイヤ、白桃&黄桃、搾りたてのバレンシアオレンジ果汁(これが中心のアロマ)、
白い花、セロリ…
華やかで複雑で、グラスから溢れんばかり。素晴らしい。香りだけで心までも豊かになる気がします。 
味わいも、フルボディまではいきませんがフル寄りのミディアム。
丸みのある甘味が豊かで少し舌に吸い付くようなテクスチャーが印象的。
酸が後ろに控えている感じで、味わいがダレないのは縁の下の力持ち的なポジションなのか…。
アフターの苦味がいい感じに引き締めて余韻も長く、甘みが前面に出ながらもったりしていないというのが良いです。
これはもう1年寝かせても良かったかなー…など思いながらうっとり味わいました。
一言で言うと〝非 常 に お い し い ″です。
セラーや冷蔵庫から出した直後より、温度が上がってきた方が個性がハッキリして断然〝美味″と言えます。
 
 
元来ヴィオニエは好きな品種なので、ペアリングははりきって近所で大人気のタイ料理をテイクアウト。
☆ソフトシェルクラブの卵炒め と
☆豚肉のオイスター炒めにパクチーどっさり添え を。
台風直撃日でお客様が全然いらっしゃらなかったので、お店もソフトシェルクラブをどっさり入れてくれました。
この海鮮エスニックがベストマッチ!!
海鮮+ハーブ+ヴィオニエ=至福…! という公式が証明されたように思います。
教科書をなぞるようではありますが、ヴィオニエ&エスニックはやはり間違いのない鉄板ペアリングであることがしっかり確認できました。
 
 
食べもの/飲み物というのは
「今食べたい/飲みたい。だから買ってすぐ美味しいもの」をついつい求めてしまいますが
「年単位で待つ」という楽しみはワインならではのものだと思います。
私もセラースペースの関係上「待てるのはせいぜい1年かそこら」なんですが、
とあるお客様から「数(十)年寝かせているワインの飲み頃について」をたびたびお問い合わせいただいておりまして、
そちらに興味を伸ばしたという訳です。
 
ワインは本当に面白いですね。
大げさな言い方になりますが、私たちが生きとし生ける
”「時」を共に過ごしてくれる食材″はなかなかないな…と、不思議な気持ちでワインを考えることがあるのです。
 
それでは、また。
次回をお楽しみに。