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テイスティングレポート

【テイスティング・シリーズVol.175】少し熟成させたロワールのソーヴィニョン・ブラン。
カンシー・ヴィエイユ・ヴィーニュ2017

2022年11月14日

テイスティングレポート

皆さまこんにちは。HP担当の田中です。
今日は、少し熟成させたロワール地方のソーヴィニョン・ブランをご紹介します。
 

Quincy Cuvée Vieilles Vignes 2017
Domaines Tatin
ワイン:カンシー・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
生産者:ドメーヌ・タタン
参考上代価格:¥4,400- (税込)
使用品種:ソーヴィニヨン・ブラン 100%
 

 

まずAOCカンシーのおさらいから。
カンシーは、フランスのロワール地方サントル・ニヴェルネ地区、サンセールにほど近い場所にあります。
1936年、ロワール地方で初めてAOCに指定されました。
フランスでもシャトーヌフ・デュ・パプに続いて2番目に認定された、歴史の古いAOCで、
白ワイン限定なのが特徴です。
 
土壌は砂や粘土質や石灰が多く、年間降水量も一定している為、
特にソーヴィニヨン・ブランに適した産地であることが知られています。
古くから宮廷御用達となるなど、品質と知名度とも高い産地で、主にフランス国内で消費されています。
 

生産者のドメーヌ・タタンは、カンシー地区とルイィ地区に畑を所有している小規模生産者で、
1988年に農業エンジニアであったJean Tatinが設立しました。
大半の畑は協同組合用にしており、ドメーヌのワインは優良な区画からさらに厳選したぶどうを使用しています。
ぶどうはリュット・レゾネ(減農薬農法)で健全で高品質なぶどうを環境に配慮した方法で栽培しています。
TERRAVITIS認証を取得済です。
 

カンシー・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュの製造方法を簡単にご紹介します。
砂と砂利、赤土、粘土質石灰岩等の異なる4つの区画の古木から手摘みで丁寧に収穫されます。
それぞれの区画毎に収穫を見極め、醸造も分けて行います。
収穫してすぐに低圧の空気圧でプレスし、温度管理したステンレスタンクで発酵します。
バトナージュをしながら、シュー・ル・リーで熟成させます。
年産約1万本。
 

それではテイスティングです。
レモン色はややあせて、かわりに熟成からくる柔らかい黄色、穏やかなクリーム色をしています。
透きとおって、輝きもあります。
わりとしっかり黄みがあり、まろやかな味わいを予感させます。
香りは、ライム、ルビーグレープフルーツ、白桃、オレンジピール、こぶみかんの葉など。
華やかで芳醇です。
味わいはあくまでライトボディですが、
新ヴィンテージ入荷時より、甘味と酸が調和してミネラルもほどよく一体となり、
複雑で、奥行とコクのある複層的な味わいになっています。
カンシーはフレッシュなうちに味わうのが良いと聞いていたので少し心配しましたが、まったくの杞憂でした。
さすが優良生産者。とても美味しいです!!
 

ロワールソーヴィニョンブランカンシールッコラとチーズのサラダ
 

今日はルッコラとハードチーズのサラダで簡単な夕食にしましたが、
何日かかけてゆっくりいろいろなメニューを試したいところ。
チーズたっぷりのねぎとポテトのグラタンなんかも良い組み合わせだと思います。
 

カンシーが果たして何年もつものか??
おそらくあと2,3年というところだとは思いますが、熟成は「いつ開けるか」を考える楽しみがありますね。
もう少し買っておこうかな…などと思ったりしています。 
 

それでは、皆さま。
次回のレポートをお楽しみに。