こんにちは、エイ・エム・ズィーです。
今日は秀逸な新たなナチュラルワインがどんどん生まれてくる仏中南部オーヴェルニュ地方に生まれた新井順子さんセレクトの生産者をご紹介!
2022年から始めたばかりのSimon BOUSQUET(シモン・ブスケ)は若干28歳の青年。父は警察官、母は学校の先生と農業とは無縁の家庭で生まれましたが、ワインの魅力に取り憑かれ栽培や醸造を学校でしっかりと学びました。南仏フォジェールやローヌ、ボジョレー、そしてオーヴェルニュのドメーヌ トルイエールで実践的にワイン造りの多くを学び2022年に自らの名を冠したワイナリーをオーヴェルニュに設立しました。無農薬栽培で手摘収穫し、低収量(25hl/ha)、自生酵母、SO2無添加、無濾過・無清澄とまさに”ど・ナチュール”のワインを造っています。
貴重なファーストリリースのワインは3種類!で年産280本~1500本と驚くほどの少なさです。
今回は3本全てご紹介しましょう!
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① Koumi "Vin de France" Blanc (2022) シャルドネ100%, 1ha(賃貸畑自社管理)税込参考上代 \5,225
KOUMI(クミ)はギリシャ語で”立ち上がる”の意。聖書では、少女の復活を象徴。彼のブドウの木にとっては、春が始まったことを意味する。エキゾチックでフレッシュなノーズ。シャープな酸と果実のフレッシュ感が味わえ、火打石のニュアンスと塩味を伴う酸味のあるストラクチャーを持つ素晴らしいワインです。
新井順子氏評:9/11に収穫したChardonnayを直ぐにプレス。タンクで発酵し、6月に瓶詰め。フィルターは使用せず、SO2も全く入れておりません。ラベルは畑の春の発芽の写真をベースに画家の叔父様が描いて下さいました。酸味のきりっとした飲みやすい白です。1500本生産。
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② Haceldama “Vin de France” Rouge(2022)ハスルダマ100% GAMAY, 1ha(賃貸畑自社管理)税込参考上代 \5,775
聖書では「血まみれの野原」(ヘブライ語)を意味する。このつるバラはローズヒップに侵食されている。ツルハシで切らなければならない。時々、私はローズヒップで怪我(出血)をするので、この畑にこの名前をつけた。ガメイの小さな区画、2週間のセミ・カルボニックマセラシオン、全房発酵で、より色鮮やかで、より濃く、よりジャムのような果実のアタックがあるが、フィニッシュはより酸とフレッシュさがある。(12.5度のバットと14度のバットがあり、最後にブレンドされた)ガメイは少し熟し、チェリーとブラックベリーの良い香り。味わいはまろやかで貪欲、果実味はやや甘く、その後引き締まり、タンニンは前のワインよりやや強調されているが、スタイルはかなり繊細でフレッシュなまま。余韻の長さは程よく、よりグルメなスタイルで美味しい。フレッシュで消化しやすいワインを造りたいというのがシモンの願いだ。
新井順子氏評: 9/11に収穫したGamayをそのまま漬け込みます。その1週間後9/18に収穫したガメイを別のタンクに漬込みます。前者は3週間漬込み12.5度のアルコール度数。後者は2週間漬込み13.5度、別々に仕込みましたが、この2つを最終的にブレンドしました。(各50%)前者の華やかな酸味と後者のしっかりとしたふくよかさが実に上手に溶け込み、飲みやすく華やかな赤ワインになりました。700本生産。
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③ Elohim “Vin de France” Rouge(2022)エロイム80% GAMAY, 20% CHARDONNAY, 各1ha(賃貸畑自社管理)税込参考上代 \6,325
聖書で”エロイム”は複数の神(ヘブライ語)を意味する。ガメイとシャルドネを混ぜて造ることにしたので、このヴィンテージにこの名前をつけた。全房のガメイ80%+半カルボニック発酵でシャルドネ20%)透明感のあるワインで、果実味にあふれ、タンニンはしなやか、フレッシュで飲みやすい! 軽やかな色調で、風通しがよく、小さな赤い果実、開いてくると紅茶のニュアンスが感じられる。軽く、張りがあるが、果実味がしっかりある。初ヴィンテージでこれを造ったことに脱帽!
新井順子氏評: 9/11に収穫したGamayをタンクにそのまま漬け込みます。(80%)そこに20%のプレスしたシャルドネを入れ、15日間マセラシオン。プレスしてタンクで発酵。開けた瞬間からベリーのような華やかな香りが広がり、飲みやすい味わい。普通この手のカルボニック系のワインはタンニンを余り感じませんが、このワインは飲んだ瞬間軽く、最後の絹のような滑らかで存在感のあるタンニンが残る不思議な味わいです。280本生産。
ラベルは畑の春の発芽や樹々をモチーフに画家の彼の叔父が描いたものです。新たな生命が芽吹く春にもぴったりなワインですね。
バイヤー菊池
【テイスティング・シリーズVol.241】新井順子ナチュールワインセレクション、オーヴェルニュに新たに誕生した”ど・ナチュール”生産者が初上陸!
2024年3月18日
テイスティングレポート