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テイスティングレポート

【テイスティング・シリーズVol.247】春の食材とナチュラルワイン

2024年4月29日

テイスティングレポート

皆さまこんにちは、神戸事務所の熊谷です。
ゴールデンウィーク真っただ中、いかがお過ごしでしょうか。
桜の季節があっという間に過ぎ去り、すでに夏のような気温を記録している地域もあるようですね。
年々春が短くなっているような気がしており、春の食材を楽しめる季節も貴重になってくるかもしれません。
 
神戸の春の食材の風物詩としては《いかなごのくぎ煮》があります。
兵庫県の瀬戸内海沿岸地域の伝統料理で、醤油・砂糖・しょうがなどで煮詰めた佃煮です。
お店やご家庭でそれぞれの味付けがあり、こだわりがあります。
《いかなご》は東北や関東では《こうなご》とも言われるそうで、
通常漢字では「玉筋魚」と書くのが主流ですが、
「春告魚」とも書かれることもあるそうです。
こちらの方が風情がありますね。
 
神戸ではスーパーにいかなごが並ぶと春の訪れに気づきます。
生の状態でも、くぎ煮にされたものでも多く並びます。
家で炊く方も多く、この時期外を歩くと、
どこからともなく、くぎ煮を炊いているんだろう香りが漂ってきます。
スーパーや郵便局などでもいかなご用タッパーが並んだりもします(普通のタッパーですが…)。
ただ、今年はあまりの不漁で、『いかなご漁解禁も水揚げ量が少なく一日で打ち切り』のニュースが流れ衝撃を受けました。
ですので残念ながらスーパーでもほぼ目にすることがなく、口に入ることはありませんでした泣

春の食材をひとつ食いっぱぐれてしまったので、ホタルイカとそら豆を買って晩ごはんに頂きました。

 

合わせたワインはこちら。
audreypilorgetosauvignon
 

 
AUDREY PILORGET
<O> SAUVIGNON “VIN DE FRANCE” 2020
 
オードレイ・ピロルジェ
<オー> ソーヴィニヨン ヴァン・ド・フランス
 
参考小売価格:5,500円(税込)

セパージュ:ソーヴィニヨン・ブラン100%

 
 
 
 
オードレイ・ピロルジェは昨年10月より、
新井順子さんセレクトとして販売をスタートした生産者です。
醸造家のオードレイはアルザスのクリスチャン・ビネール(Christian Binner)の元奥様。
畑はありませんが、近所のBIOの優良な生産者から葡萄を購入し、ロワールでワイン造りを行っております。
学生時代、きちんと醸造学を学んでおり、
クリスチャンと一緒に長い間醸造に携わって来られたので試飲能力も高く、その実力は言わずもがなというところでしょうか。
 

平均樹齢約70年。南西向き畑。
〈O〉は Oisly (オワリー村)からきています。
除梗なし。
バリックにて自生酵母で18か月発酵。
新樽なし、24か月熟成。SO2無添加。フィルター、清澄なし。
 
audrey pilorget o sauvignon
ほんのりグリーンを帯びたやや濃いめのイエロー。
ノンフィルターなのですこしモヤがかかった感があります。
キリっとしたミネラルと、グレープフルーツやライムなどの柑橘系、
熟したリンゴ、ハーブの香りに清涼感のあるスパイスの香り、
温度が上がってくると少し蜜っぽさが出てきて、
アップルパイのようなニュアンスも感じられました。
きれいな酸と豊富なミネラル分、柔らかい果実味とのバランスがとてもいいワインです。
 
今回はホタルイカとルッコラをオリーブオイルと少しのポン酢でマリネし、
日向夏を加えました。
低めの温度でサーヴしたワインと、ホタルイカとルッコラの苦みがいい感じでした。
そら豆はうずらの卵と一緒に中華だしでさっと煮にし、
そら豆のほくほく感とほんのり感じる甘みも美味しく味わえました。
こちらは少し温度を上げてから楽しみました。
皆さまも春の食材とワイン、いかがでしょうか。